ピアノ乾燥剤を置く場所(グランドピアノ)

年配の女性のお客様から
しばらく弾いていなかったピアノを再開したので
長い間、調律せずに放置してあるピアノを
調律して欲しいとのご依頼で伺いました。

調律カードの記録によると
最後に調律したのが平成4年なので
22年ぶりの調律となります。

大屋根を開けると
乾燥剤

響板の上に、かつて入れたピアノ乾燥剤(シリカゲル)が...

嫌な予感がします。

響板の上の乾燥剤

 

あぁ...やはり響板にべったりと貼り付いていました。
ピアノ乾燥剤は絶対に響板の上に置かないでください。
写真のように、べったりと貼り付いてしまいます。

どうしても、グランドピアノに乾燥剤を入れないと気が済まない方は
フレームの上に乾燥剤

フレームの上に置くようにしてください

もっとも、「ピアノ乾燥剤」の類い、
入れてもほとんど効果は見られませんので
はじめから入れないほうが
件のピアノのような不要なトラブルを招くこともありません。

ピアノの除湿は部屋全体でやって頂くのがベターです↓
http://www.piano-tokyo.jp/humid.html
湿度

訪問時の湿度が 85パーセント。
梅雨+台風接近で、外はジメジメ。
しかし年配の方は、エアコンを使わない方が多いのもまた現状。
(メディアであれだけ室内での熱中症に関して注意喚起していても浸透しないなぁ)
梅雨時期にも関わらず、家中の窓を開け放っています。
窓を開けていても快適な事は無く
ひたすらジメジメしています。
今や日本の夏は「熱帯」。
エアコン無しではピアノだけでなく
人間も熱中症になってしまいます。
窓開けにより室内が外部と同じ湿度なので
ひとまず全ての窓を閉めて
ピアノを置いているフロアにあった
2台のエアコンをドライ(除湿)運転したところ
帰り際には、湿度が65パーセントまで下がってきました。
梅雨入り前後から夏の終わりまでは
エアコンを常時運転することと
必要に応じて、除湿器も併用して頂くことが望ましいです。

潤滑

 

全体整調

 

多湿の環境に長年置かれていたので
当然のようにスティックだらけで
タッチは非常に重く、部品の走りが遅く、
よって鳴りも悪くもっさりとした音色。
調律は下律、本調律の2回で、どうにかピッチ上げ。
限られた作業時間の中で、稼動部全てを潤滑し、整調見直し。
次高音から最高音にかけて、ハンマーをファイリング、
その他セクションを含め針入れ。
6時間少々悪戦苦闘の末、この日の作業はなんとか終了。

潤滑により、稼動部のロスが無くなり
予想以上に鳴りの良いピアノになりました。
部屋の床材が硬くしっかりしているのも
鳴りに貢献しているようです。
稼動部のロスが無くなったことで
鍵盤のキータッチも普通のウェイトまで軽くなりました。
(55g前後)
ピアノは昭和52年頃のヤマハのG2Eですが
今のCシリーズより
こっちのほうがピアノらしい音が出てます。

大人のピアノ

 

こちらのお客様、
ピアノの再開を機に、大人のピアノレッスンに通っておられます。
音楽、楽器、いくつになっても楽しめる。
弾きやすくなったピアノで、たくさん練習してください!

ヤマハ G2Eの調律、調整@東京都世田谷区