ヤマハC3Xの調律と調整

ヤマハC3X
常連のお客様がピアノを買い替えたので調律に訪問。
真新しいヤマハC3Xです。

作業に入る前にざっと弾かせて頂きましたが
なんかタッチがスッキリしません。
お客様曰く
「たぶん販売店がきちんと出荷調整してない感じです。
どうせ渡辺さんに全て調整し直してもらうので
サービス調律だけしてもらってます(笑)」
との事でした。
お客さんに全て見通されてる販売店、なんだかなぁ...

YAMAHA C3X
調律カードによると納品時のサービス調律が約3ヶ月前で
A=442Hzで調律されたと記載されています。
3ヶ月後のこの日、ピッチを計ると
A=439Hzまで低下してました。
新品ピアノは張られている弦が若く柔軟性に富んでいるので
数年は猛烈にピッチが下がります。
これが完全に落ち着くのには、半年ペースで調律して
早くて3年、場合により5年くらいかかります。
しばらくはマメな調律が必要になります。
http://www.piano-tokyo.jp/faq030.html

c3Xの整調
「整調(せいちょう)」、あまりというか殆ど手付かずな感じでした。
「(要)鍵盤調整の見直し」な状態。
バランスピンとフロントピンは
新品ですのでさすがに錆はありませんが
念のため薬品でクリーニングしてから潤滑処理しておきました。
鍵盤のバランスホールとフロントのクリアランスを
適正なトルクとクリアランスになるよう調整。
他に気になったのは、レペティションスプリングが
非常に弱く、鍵盤によってはまったく効いてませんでしたので
全鍵スプリング圧を調整し直しました。
せっかくのグランドピアノなのに
レペティションスプリングが効いていないと
連打、トリルが上手く弾けません。
その他、多くの整調工程を見直して
午前から始めた作業も気付けば夕方でした。
出荷調整がきちんとされていない新品ピアノは
ある意味、10年以上調律していないピアノ並の作業が必要です。

朝、お伺いしたときには
ダウンウェイト60g前後でしたが
作業後はDW55g前後と、ヤマハの標準的なダウンウェイトになりました。
音色ですが、この「X」シリーズになってから
いっときのC3より幾分良くなってます。
雑味が無くなったいうか、素直に歌う、そんな印象です。
お客様との打ち合わせにより
今後鍵盤のウェイトのバラツキを揃える調整や
その他カスタムチューンを予定しております。
C3Xがどんな風に変化していくか、今後が楽しみです。

 

ヤマハC3Xの調律と調整@神奈川県川崎市

 

渡辺ピアノ調律事務所
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