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ちょっと、マニアックなピアノ専門用語

ピアノ用語集

ALPHABETICAL
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A

Action(アクション)
ピアノアクション
鍵盤に与えられた力が弦を打つに至る中間のメカニカルな諸機構をいう。車でいうとエンジン、人間でいうと内臓といったところでしょうか。ウィペン、バット、ハンマー、ダンパーなどが主要部分で、アップライトピアノではこれらが一体となっているが、グランドピアノではその一部が、ピアノのボディーや鍵盤上などへ分離して取り付けられる。またグランドのダブルエスケープメントアクションは、大きく2種類あり、レペティションレバーを支えるスプリングがシングルスプリングのシュワンダー型と、ダブルスプリングのヘルツ式に分類される。現在はヘルツ式を採用するメーカーが多くなってます。タッチに非常に大きく影響するセクションで、電子ピアノのタッチ感がいまひとつなのは、アクションの有無が大きいと言えるでしょう。また「アクション」という用語は、我々ピアノ調律師がお客様に何かピアノの状況に関して御説明する際に、頻繁に出てくる用語の一つですので、覚えておくと便利です。

関連リンク : アップライトピアノのアクションの構成

関連リンク : グランドピアノのアクションの構成


Agraffe(アグラフ)
アグラフ
プレッシャーバー+ベアリングに相当する真鍮製の鋲。一般的にグランドピアノの中音部と低音部に使われるが アップライトピアノの上位機種等にも使用される。1音に一個あり弦の数だけ穴が開いていて弦がこの穴を通り、ベアリングの効果を発揮する。


Aliquot(アリコート、アリコット)
Bluthnerのピアノが採用している共鳴手段。中音・高音部で、通常打弦される3本の弦に加え 打弦されない弦が、各音余分に張ってあります。打弦時には、これが一緒に共鳴する仕組みです。


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B

Backcheck(バックチェック)
バックチェック
打弦して戻ってきたハンマーを正しい位置で捉え、ハンマーのリバウンドを防止するパーツ。 グランドピアノではキー後部の上に植えられており、アップライトピアノでは、ウィペンの手前端に植えられている。接触面は、グランドでは革を、アップライトではフェルトを使っている。


Balance pin(バランスピン)
バランスピン
鍵盤の中央付近にある支点のピン。公園にあるシーソーの中央部の役目とでも言えばその役割が想像出来るでしょうか?ちなみにこのピンに鍵盤を通す為に鍵盤の中央部に開いている穴は「バランスホール」という。バランスピンとバランスホールの関係は実に微妙なもので、少しでもきつ過ぎると動きが悪くなり最悪スティックぎみに、緩いとカタカタと雑音を招いたりする。


Bushing(ブッシング)
ブッシング
センターピンの周りや鍵盤のバランス・フロント部等に張るクロス。チューニングピン保持のブッシングには、木片が使われます。


Butt(バット)
バット
ハンマーシャンクの一端が植わっている部分。アップライトピアノではシャンクの一端を厚い木片(バット)へ嵌め込んで膠着してある。グランドピアノではこの木片を云い、そこにローラーやセンターピンが付いている。Buttとは銃の台尻のこと。


Butt-plate(バットプレート)
バットプレート
アップライトピアノのバットとフレンジを繋ぐセンターピンを固定する為のプレート。かつては、プレートレスでバットとフレンジを直にセンターピンで貫通させるタイプだったが、現代の殆どのアップライトはバットプレートを採用している。


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C

Capstan(キャプスタン)
キャプスタン
鍵盤の後部に植わっているボタンの事で、鍵盤とアクションの唯一の接点。グランドピアノ真鍮製、アップライトピアノはワイヤー+木またはプラスチック。小型のアップライトではポストワイヤーが省略され、ボタンが直に植わっていたりします。パイロットと言う事もあります。ロストモーション(から)を直す際に、このキャプスタンボタンを回して調整します。


Catcher(キャッチャー)
キャッチャー
アップライトピアノのバットから、シャンクに対しほぼ直角に出ている木片。ハンマーが打弦後戻ってきた際に、バックチェックと接する部分。表面には皮革が貼ってある。バックストップともいわれる。


Cent(セント)
平均律の半音間を100で割った単位。1オクターブは1200セントになります。1885年、英国のA.J.エリス氏が提唱したとされています。


Center pin(センターピン)
センターピン
アクションの駆動部にある細いピン。人間の各関節にピンが在るようなものというと想像出来るでしょうか?材質は銀や真鍮に、ニッケルメッキを施したモノ。太さは、No.19の1.200mm~No.25の1.500mmまであり、通常使用されるのは、1.257mm~1.3mm。湿気や乾燥でピンを取り巻く部分が少しでもきつくなったり、ゆるくなったりすると、音が出にくくなったり雑音が出たりと障害が発生するケースがある。各フレンジにより、センターピンとブッシングとの適正な「きつさ・ゆるさ」具合は違い、これらをきちんと調整してあげることはアクションの動作に極めて重要です。

【覚書き】センターピンNo.と直径


Chouritsu(調律)
Tuning・調律参照→


Chouritsu-shi(調律師)
Piano Tuner・ピアノチューナー参照→


Cloth(クロス)
羊毛を織った布。フェルト同様ピアノアクション各部で使われている。厚さはフレンジ用が0.7mm程、鍵盤用が1mm~1.3mm程。尚、「フェルト」は羊毛を圧縮したもの。ピアノ内部では用途に応じて、フェルトとクロスを使い分けています。


Cristofori(クリストフォリ)
1709年、初めてハンマーアクションを持ったピアノを作った人物。クリストフォリはこの楽器に、「ピアノとフォルテ付きのチェンバロ」と名付け、その後「ピアノフォルテ」、さらに略され「ピアノ」と呼ばれるようになりました。1655年イタリア生まれ。もとはチェンバロ職人。チェンバロでは原則強弱がつけられなかった訳ですが、ピアノでは強弱をつける事が可能となったのが大きな特徴です。


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D

Damper(ダンパー)
ダンパー
音を止める(弦振動を止める)装置。先端のフェルトが弦を押さえることで弦振動すなわち音を止める。鍵盤を離した(戻した)時やペダルでも動作する。一般的に高音部には付いていない。高音はもともと減衰が早いため、ダンパーを付けると音に華やかさがなくなってしまうので付いてません。またダンパーフェルトが硬化してくると、止音の際雑音が出るケースがあり、この場合応急処置的な対処も出来ますが、交換が必要になります。

次高音のダンパー
アップライトのダンパーは横から弦を押さえる格好ですが、グランドのダンパーは、上から押さえるスタイルになります。そのためグランドのほうがアップライトに比べ、若干止音が良い傾向にあります。


Damper-rod(ダンパーロッド)
ダンパーロッド
全てのダンパーを弦から放すための金属製の棒。ダンパーペダル(右のペダル)を踏むと ペダル天秤棒→ペダル突上棒を経由してダンパーロッドが動作します。ダンパーロッドは全てのダンパーレバーを持ち上げ、これによりダンパー全てが弦より解放されます。アップライトにおいて、アクションの背面にセットされている。年数の経過や設置環境等により、表面に腐食があると動作時にノイズを出すことがあり、このような場合、磨き直してやることでノイズを消すことが出来ます。ペダルを踏んだ際の、ノイズの一因。


Dampp-Chaser(ダンプチェイサー)
ダンプチェイサー
ピアノ防湿器・調節器。湿度が高くなると、調節器が感知し、除湿器が作動します。ヒーターの熱による空気の対流を利用し、ピアノ内部の湿気を追出します。季節ごとの湿度の変化による響板の膨張・収縮を抑えることが出来 調律の安定が得られ、尚かつピアノ自体の寿命を延ばすことになります。同時に結露によるサビ、カビの防止効果もあります。 アクションのスティック防止にも効果が期待できるすぐれものです。基本的には、部屋全体で湿度を管理することが望ましいのですが お部屋が広すぎたり、地下であったり、天井が高かったりする場合、思うように湿度をコントロールすることが難しい場合もあります。そのような環境下にあるピアノには、ダンプチェイサーを取付ける事を推奨いたします。調律のたびに乾燥剤を入れ替えるのに比べ、その効果は飛躍的に上がり、コストパフォーマンスも高いです。調節器が自動で管理してくれる為、手間が掛からず、また一般的な、除湿器・加湿器のように音がしない点も良いです。アップライトピアノ、グランドピアノ共に取付け可能。

関連リンク : ダンプチェイサー


Detoa(デトア)
detoa actioa、デトア アクション
デトア社は1908年創業のチェコのピアノアクションメーカー。チェコの名器ペトロフピアノ等に採用されている。人形劇で有名なチェコだけあって、デトア社も木工製品の加工技術を生かした木製玩具を作っています。


Drop action(ドロップ・アクション)
背丈の低いピアノにかつて良く使用されたアクションで、通常のアップライトピアノのアクションとは異なり、レペティション・レバーの上昇を限定調節する 。日本では、その見た目から「雨だれ式」とも言われます。


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E

Electric Piano(エレクトリックピアノ)
エレクトリックピアノ
電気ピアノ。電子(デジタル)ピアノとは似て非なるもの。アコースティックギターに対するエレクトリックギターのような楽器といえば分かりやすいでしょうか。生ピアノが電気の力を借りずに大きな音を出せるのは、「響板」のおかげです。ピアノから響板を外してしまった状態がエレピで、アンプを通して音を出します。Fender Rhodes Piano(フェンダーローズピアノ)があまりにも有名で、エレピと言えばローズの音を指すことが多いです。

1940年代に、アメリカのハロルド・ローズが考案。アクションはピアノと似ている部分と独自の仕様とが混在し、ハンマーはグランドピアノ同様、下からの打弦となりますが 弦の代わりにトーンジェネレーターと呼ばれる金属の棒を打ち、トーンジェネレーターはトーンバーと共に振動し、これをピックアップで拾い発音する。トーンジェネレーターの先端にはコイルがあり、これを前後することで調律します。チューナーとアウトプットを繋ぎ、一つずつ調律していけば数が多いので手間はかかりますが、誰でも調律が可能です。チェンバロ同様、オーナー自身が調律出来る余地があるのは良いことです。ピックアップとトーンジェネレーターの位置関係により、音色や倍音の多い音色に調整することが可能です。ダイナミックレンジはアコースティックピアノと比べると狭いが、タッチによる音色の変化に関してはフェンダーローズピアノはとても豊かです。ハンマーは音域により5種類の硬さのゴムを使用していて ダンパーはピアノ同様フェルトです。

既に生産が終わってしまった現在でも、多くのピアニストやミュージシャンに愛用されており(JAZZ(ジャズ)、SOUL(ソウル)系が多いですね)、ローズサウンドを聴くことのできる作品は無数にあります。誰もが一聴すれば分かるその独特の甘いサウンドは、21世紀になっても色褪せることなく、寧ろより魅力的に聴こえるなんとも不思議なピアノです。ピアノ・ベース(32key)やダイノマイ・ローズといった変わり種もあります。個人的には Mk-1 スーツケースの音が最もローズらしくて好きです。

ローズピアノ以外にもウーリッツァーやコロンビアのエレピアン等が、金属のリードを叩く仕様のエレピを出していました。後にヤマハ、カワイ、東海楽器等が限り無くピアノに近い、通常の弦やアクションを使ったエレピを出しました。※2007年1月 NAMM show にて、Rhodes Mk-7 が発表されております。


Equal temperament(イクォールテンペラメント)
オクターブを均等に分割する12平均律音階。純正調のような綺麗な音律ではないが、転調が自由に出来る。


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F

Felt(フェルト)
羊毛を加工した繊維。ピアノアクションには、このフェルトが多用されており 用途によって硬さを変えています。ダンパーフェルトにはふわっとした弾力のあるフェルトが。ハンマーフェルトには、圧縮した硬いフェルトが使用されていて、この品質は音色に非常に影響があります。


Filing(ファイリング)
ファイリング
ハンマーフェルトをヤスリがけすること。整音作業の一部です。使用頻度 の高いピアノのハンマーフェルトの先端は、何度も弦に接触することで潰れて弦の溝が出来ます。この状態では弦との接触面が多く、また硬くなっているため、綺麗な音が出せず理想的とはいえません。そこでファイリングによりハンマー先端を理想的な状態へとリセットしてやる必要があります。併せてピッカーで、理想的な弾力にしてあげる必要もアリ。正確な調律(チューニング)をしただけではピアノは完璧な状態にはなりません。常に調律と併せて整調・整音・修理を見直す事が不可欠なのです。


Front-pin(フロントピン)
フロントピン
鍵盤フロント部の下に位置するピン。鍵盤の間隔を揃え、左右のブレを防ぎ、上下のストロークをスムーズに保つ役割。フロントピンがいくら正確に配置されていても対となる鍵盤先端下部のブッシングクロスが磨耗していると、鍵盤の並びは隙っ歯になってしまいます。またピンに錆が出ていると、それがヤスリの働きをしブッシングの磨耗を速めてしまうことがあります。


Flange(フレンジorフランジ)
フレンジ
人間でいうと関節のようなもので、回転運動が必要な各部にある。フレンジ稼動部の中心にはセンターピンが入っている。バットフレンジ、ダンパーフレンジ、ウイペンフレンジ、ジャックフレンジがある。各フレンジにあった、適正なトルクに調整されていないと正しいタッチ感は得られません。


Flange-cord(バットフレンジコードorバットスプリングコード)
フレンジコード
アップライトピアノでは、本来横に寝ていたアクション(グランド)を縦にした為、アクションそれらの自重により元の位置に戻るという動作が難しくなってます。そこでバットスプリングによりハンマーの戻りを助ける仕様となってますが、そのバットスプリングを保持しているのがバットフレンジコードです。故にフレンジコードはアップライトにだけ付いていて、グランドにはフレンジコードはありません。時間の経過とともに劣化し切れてしまう場合もありますので、この場合新しいコードに交換してあげる必要があります。

フレンジコードが切れてしまう症状は、特にY社の製造番号70万番台くらいから~400万番台前半までのアップライトに多く、湿気の多い場所に設置してあった場合や、多湿と過乾燥を長期に渡りくり返した場合等、特に劣化が激しいようです。他社のものでも、使用環境や使用頻度、経過年数によっては、やはり切れてしまいます。(他社のものでも数は極めて少ないですが起こります)切れたままでも取りあえず音は出ますが、本来付いてるべきものが切れてしまっているので、演奏に際し支障が出てしまいます。

切れたままの場合、ハンマーはブラブラ状態の為、連打性が悪くなったり、ピアニッシモの時等に2度打ちをしてしまったり、低~次高音までは、立ち上がったバットスプリングがダンパーに接触し、鍵盤が降り難かったりという症状がでます。数カ所でも切れてしまっているような状態の場合、残りの切れていないフレンジコードも近い将来いずれ切れてしまう事が予想される為、通常はピアノ内部のアクションのみをお預かりし、88箇所すべてを交換してしまうケースが多いです。

しばらくぶりにピアノを調律してもらう際は、修理の必要がある場合がありますので調律師さんにチェックしてもらうと良いです。


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G

Grand piano(グランドピアノ)
グランドピアノ
翼の形をしていることからドイツではフリューゲルと呼ばれたりします。またこの形状が音色を特徴付けている要因でもあります。ピアノはもともと、このグランドの形が先でアップライトは後に誕生します。サイズの大きいグランドピアノは当然弦が長く張れることと、響板の面積も大きく取れますので、音色が豊かで表現力に優れています。コンサートホールで使用されるものは3mくらいあります。その為、グランドというと大きいという先入観をお持ちになる方も多いのですが、実際には各メーカーから、奥行き150cm、160cm前後のサイズより、多数ラインナップがありますので、用途に応じて選択可能です。

最近は趣味で弾く方もグランドを所有される方が増えてきました。アップライトピアノとの違いとして音色の美しさもさることながら「連打がしやすい」「 ソフト(シフト)ペダルの効きが良い」「ダイナミックレンジが広い」等が挙げられます。

関連リンク : グランドピアノ構成部分の名称


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H

Hammer(ハンマー)
ハンマー
弦を打つフェルト。中心部は木でその周りに上質のフェルトを圧縮したものを取り付けてある。音色に非常に大きく関わるパーツで、各社、製法等は企業秘密である。ハンマーのブランドとしては、ドイツのレンナーが有名。ここでいう「ハンマー」は、調律師が調律をする際に使用する工具の「ハンマー」とは違います。(工具は「チューニングハンマー」という)


Heel(ヒール)
ヒール

ウィペンの底の部分の事。通常ウィペンヒールと呼びます。ウィペンヒールクロスが劣化・硬化してくると、鍵盤を下げた際、鍵盤奥のキャプスタンとウィペンヒールクロスの擦れる不快な雑音が生じます。この場合クロスの張替えが必要です。

Hitch-pin(ヒッチピン)
ヒッチピン
弦の一端はチューニングピンに固定されており、もう一端がこのヒッチピンという金属ピンで固定されます。多くのピアノで弦は、ヒッチピン1本を折り返すことで、1本の弦を2本のように張弦しますが、ヒッチピン1本に対し弦1本で張るピアノもあります。


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I

Insect damage(虫害)
虫害
虫害2

ピアノを構成する部品の中には、ハンマーフェルトに代表されるように、良質のフェルトやクロスが多数使われています。ウールやカシミアのニットが虫に食われてしまうのと同様に、ピアノに使用されているフェルト、クロス類も虫害にあうことがあります。

都会ではさほど心配はいりませんが、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ等の幼虫等により、フェルト、クロス類に食べられてしまうケースがあります。その他、これも都会ではあまり遭遇しませんが、鼠(ネズミ)による被害等もあります。必要に応じて防虫剤をピアノ内部に配置しておくと安心です。


Ivory(アイボリー)
ivory 象牙
象牙です。ホールのピアノや一部のピアノを除いて、最近のものはプラスチック。セルロイドやアクリルが多いです。象牙の特徴として、その独特のさわり心地もさることながら、汗を吸ってくれるという事があります。ホールでピアニストが演奏中、指先に汗をかいてきても吸ってくれるという訳です。但し手入れを怠ると表面が黄ばんできたり、ひび割れてきたりします。


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J

Jack(ジャック
ジャック
ウィペンアッセンブリーの一部分で、鍵盤からの力をバットに伝える装置。グランドピアノではシャンクローラーを、アップライトピアノではバットスキン下部を突き上げる。ジャックの底部はレギュレーティングボタンに接して、レットオフ(接近)を行う重要な箇所。


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K

Key(キー)
キー
鍵盤です。近年の一般的なピアノは、白鍵が52,黒鍵が36個でトータル88鍵です。白鍵52鍵の前幅は1220mm~1230mm、オクターブ幅は165.5mm 白鍵1鍵の幅は22.3mm~22.8mm、黒鍵幅は9.5mmが基準。鍵盤材はヒメコマツ等の松系の木材が使用されています。白鍵上面には象牙やアクリルが、黒鍵にはベークライトや黒檀が使われます。

かつては象牙や黒檀のキーを使用したピアノも多かった訳ですが、今日では動物愛護・保護の問題からアクリ等に置き換わってます。材料に使われている木は非常に乾燥していてライターで火でもつけようものなら...大変です。初期のピアノでは61鍵、その後78鍵、85鍵と少しずつ鍵盤数は増え 現在主流の88鍵のスタイルへと移行してきました。


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L

Let off(レットオフ)
「接近」とも言います。鍵盤をそぉーっと下ろしていくと、ハンマーは弦に当たる直前で弦から離れます(脱進、エスケープメント)。一般的には、ハンマーが弦の手前 2~4mm 程度のところまで来た際に、ジャックが脱進しハンマーが解放されるよう調整します。低音側は広めに、高音側は狭く調整します。グランドピアノでは1mm程度まで詰められるものもありますが、あまりにレットオフが狭いと、逆につまった音色になったり、弦が切れやすくなる場合もある為、季節変化等も考慮し、ピアノと使用環境に合った最適な値に調整する必要があります。鍵盤を非常に弱く下ろした際に音が出ないのは、この動作によるものです。


Lost motion(ロストモーション)
「から」とも言う。鍵盤とアクションの間に出来る隙間のこと。これと逆の状態を「突き上げ」という。特に日本の場合、四季の変化(温度・湿度)が激しいので、それにともなって調整が必要になる。対策として、梅雨~夏季の「除湿」或いは、冬場の加湿が重要です。長期にわたり調律されていないピアノでは、「から」や「突き上げ」が極端に多い状態になっていたりする場合があります。私は師匠に「からは万病のもと」と教わりました。


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M

Muffler(マフラー)
マフラー
弱音。弦とハンマーの間にフェルトを配置することで、ハンマーが直接弦を叩かず、フェルト越しに弦を叩くので結果弱い音になります。しかしその原始的な構造故に、単に音量が小さくなる訳ではなく、音色はこもり、タッチ感ももれなく悪くなります...。弦とハンマーの間に、本来あるべきではない異物が介入する訳ですから、弱音を使用した際に綺麗な音がでないのは仕方のない事です。マフラーフェルトを薄いものに張り替えてやると、多少事体は改善されますが、今度は本来の目的である「弱音」効果が薄れてしまいます。あくまでも夜間に運指の確認をするとき等の、応急処置的な機能と考えるのが無難で、通常の状態で弾くことが出来る場合は、non-弱音がベストでしょう。

すべてのピアノに必ず付いている訳では無く、弱音の無いピアノもあります。何故付いてないかというと、ピアノの演奏には必要のない機能なので。アップライトピアノでは多くの場合、真中のペダルに弱音の機能を割り当ててあり、グランドピアノは棚下のレバーを操作する仕様が多いです。

弱音と消音をごっちゃにしている方が時々居られますが、弱音は音が消える訳では無く弱くなるもので、消音はピアノの弦の響き事体が完全に消える機能です。自動車のマフラーの意味と同じと考えて頂ければ間違えることもないですね。


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P

Pedal(ペダル)
ペダル
古いピアノなどは2本だったりします。最近のものは3本が主流です。

右のペダルはダンパーペダル(ラウドペダル)と言い、その名の通りダンパーを開放するので、鍵盤から手を離しても音は鳴り続けますし、すべての弦が開放されているので華やかな音にもなります。みなさんがもっとも頻繁に使うペダルですね。

真ん中のペダルは、アップライトピアノとグランドピアノでは機能が異なります。アップライトの場合はマフラーペダル(弱音ペダル)と言い、このペダルを下げることでハンマーと弦の間にフェルトが1枚入ります。つまりハンマーはフェルト越しに弦を叩くので音が弱く(小さく)なるわけです。Y社のサイレントピアノの場合このペダルが消音ペダルとなっています。グランドピアノの中央のペダルはソステヌートペダル(サスタニングペダル)と言い、ダンパーペダルが全ての弦を開放するのに対し、任意の音だけを開放出来るペダルです。現代音楽などで使われる事がありますが、一般的にはあまり使用頻度の高くないペダルでしょうか。ピアノの先生でもこのペダルの使い方をご存じない方がいるくらいですので...。ごく一部のアップライトピアノでソステヌートやベースダンパーが付いている機種もあります。

左のペダルはソフトペダルと言い、ごく小さい音(ピアニッシモetc)を出したい場合や、若干音色の表情を変えたい時などに使用します。グランドの場合「シフトペダル」「ウナコルダペダル」ともいいます。アップライトでは構造上、あまり効果が得られませんが、グランドではその効果はかなりあります。


Piano(ピアノ)
1709年にイタリアのチェンバロ職人バルトロメオ・クリストフォリが発明(したと言われている)。チェンバロは爪で弦を引っ掻くスタイルで発音するため強弱が付けられなかったが、ピアノの発明により強弱をつけることが可能となったのは大変画期的なことです。グランドピアノのような平型のスタイルがそもそものピアノの形で、グランドピアノの登場からおよそ100年後に縦型の所謂アップライトピアノが完成しました。 PianoForteが正式名称ですが、通例ピアノと呼ばれています。


Piano Technician (調律師)
Piano Tuner・ピアノチューナー参照→


Piano Tuner(ピアノチューナー)
ピアノ調律師。ギターのチューニングのようにチューニングメーター(注1)等は使わず 音叉で基音をとり、それを88鍵に展開します。基音以外は耳のみで調律します。但し季節によっては、温度により音叉が正確ではなくなる場合もあり、また最近では、きわめて精度の高いチューニングメーター(注2)もあるため、必要に応じてチューニングメーターで基音取りすることも多いです。大きくピッチが低下している場合は下調律(粗調律)が必要になりますが、下調律の時間短縮の為にチューニングメーターを使用するケースもあります。俗にいう絶対音感は調律の時には使いませんし必要ありません。

人間が行う作業ですから、各々の調律師により当然仕上がり微妙に違ってきます。(音楽的に問題があるほどは違いません)音律においても違いは表れますし、作業への取り組み方も人それぞれです。調律師さんによって「こだわり所」というのが当然違ってくる為でしょう。技術屋としてのプライドが仕事に大きくあらわれます。調律士ではなく通例「調律師」と書きます。

(注1)「チューニングメーター」はチューナーとも言い、調律師のこともチューナーと呼ぶことがあり紛らわしいですね。

(注2)「精度の高いチューニングメーター」とは、従来からのストロボチューナーや最近ではレイバーンサイバーチューナー(RCT)等。

関連リンク : 調律師ブログ


Pitch(ピッチ)
時々、調律師がお客様に聞く「Aの高さは440それとも442ですか?」とお伺いするアレです。音高、音の絶対的な高さのことです。特に何Hzじゃなければいけないという事はありません。クラシックだから何Hz、ジャズだから何Hzといった決まりも無いので念のため。ただ他の楽器(弦や管)との兼ね合い上、442もしくはそれ以上高くするというケースはあります。現在、コンサートホールでは A=442Hz 、レコーディングスタジオでは A=441Hz が多いです。昨今少し高くなり過ぎてしまった感のあるピッチですが、もう少し下げようという動きもあるようです。ピッチの御指定がある場合は、調律を初める前に一言お申し付けください。


Pressure bar(プレッシャー・バー)
プレッシャー・バー
アップライトピアノで、チューニングピンとアッパーブリッジの間に配置されている金属製のバー。このバーの押圧で弦を屈折させ、ベアリングを得ている。「針金押さえ」とも呼ばれます。


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R

Regulating , Regulation(レギュレーティング、レギュレーション、整調)
整調(せいちょう)。ピアノにおいては「調整」とは呼ばず「整調」といいます。皆さんが言う「調律」には「調律」の他に、「整調」「整音」「修理」が含まれています。鍵盤~アクション(ペダルも含む)の働きを88鍵、直線上に揃える作業です。直線上というと分かりにくいかもしれませんが、要は特定の鍵盤だけ妙に違う動作をすると、弾きにくいですから、88鍵盤皆同じように動作するようにしてあげる必要があります。二十数工程×88鍵盤やらなければなりません。

具体的な工程は、ネジ締め、鍵盤調整、打弦距離、ハンマー間隔弦合せ、ウィペン間隔直し、から直し(ロストモーション)、キャプスタンボタン調整、鍵盤ならし、鍵盤間隔直し、ブライドルワイヤー左右調整、鍵盤あがき、ハンマー接近(レットオフ)、働き調整、ハンマーストップ、ジャックストップレール調整、ダンパー総上げ、スプーン掛け、ダンパーレール調整、ペダル調整、等々。グランドピアノにおいてはその他、ベッティングスクリュー調整、サポート合せ、ジャック前後(上下)調整、ハンマーならし、ハンマードロップ、レペティションレバースプリング調整等があります。グランドにおいては、特にその特徴の一つである、いわゆるアフタータッチを均一に揃える上でも、整調は欠かせない作業と言えます。音色もさることながら、ピアノのタッチ感に非常に影響があります。

日本のように多湿~過乾燥といった極端な気候ですと、調律してから半年後(反対側の季節)には、極端に整調が乱れている場合が多いため、常に整調には気を配ります。調律(チューニング)に時間を掛けるのも大切ですが 寧ろそれ以上に、整調に時間を掛けたいものです。ピアノ内部は木やフェルトといった天然の材質のもので構成されていますが、これらは湿度により驚く程サイズが変化します。長年調律(整調)をしていないピアノは音律はもちろんのこと、著しく整調が乱れていることが多いです。しばらく調律をしていないピアノをお使いの方は、一度調律師さんにピアノ全体をチェックしてもらうことをお勧めします。


Renner(レンナー)
レンナー

LOUIS RENNER GMBH Co. 100年以上の歴史を持つドイツの老舗アクションメーカー。ピアノのアクションは、本来はピアノメーカー各社がオリジナルで作りますが、レンナーアクションの品質、精度、耐久性が良いことと、100年以上同一規格の部品を供給出来る等の利点から、多くのピアノメーカーが、アクションにレンナーを採用するようになっています。

関連リンク : Renner USA(レンナー)



Repetition lever(レペティション レバー)
レペティション レバー
グランドピアノのアクションに使用されているパーツ。レペティションレバーのおかげで、連打性が飛躍的に向上します。打鍵後、僅かに鍵盤を戻しただけでジャックが元の位置に戻れるので、次の動作がすぐに可能となります。アップライトピアノとの大きな違いの一つはこれの有無でしょう。ジャックの頭はレペティションよりも、0.1~0.2mm低い位置になるよう指先の感覚を使って整調します。


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S

Seasoning(シーズニング)
木材を人工的に乾燥させる手段。湿気と乾燥を繰り返し、出荷後の狂いを少しでも減らすために行う。


Seichou(整調)
Regulating , Regulation・レギュレーティング・レギュレーション参照→


Seion(整音)
Voicing・ボイシング参照→


Shank(シャンク)
シャンク
ハンマーの下に続いている長く丸い木の杖。弾力性があり尚かつ丈夫でなければなりません。1本のシャンクに汗腺が何本までといった基準があり、材質は樺材。


Silence Unit(消音ピアノユニット)
シャンク
消音ピアノユニットは、消音バー(ストッパー)でハンマーシャンクをおさえ、ハンマーが弦の手前数ミリのところで止まるようにすることで、打弦音を消すことの出来る装置。これまで通りアコースティックの音も出せるよう切替えが可能。消音時、ヘッドフォンから聴こえる音は、サンプリング音源で、強弱、音色の変化等は鍵盤下部の光センサーで読み取る仕組み。

関連リンク : 消音ピアノユニット


Soundboard(サウンドボード)
サウンドボード
響板(きょうばん)です。ハンマーフェルトと同じくらい音色を左右する重要なパーツです。松(一般的にはスプルース)等を使います。10センチ幅10mm厚の板を張り合わせて一枚の板に仕上がっています。一枚の響板は真平ではなく端からみて中央が10mmばかり迫り出しています。極度な乾燥状態ですと、板が割れてしまったりして大変な事になります...

関連リンク : Ciresa(チレーザ響板)


Spinet(スピネット)
スピネット1

スピネット2

スピネット3
スピネットピアノは、アップライトの一種で極端に背の低いタイプのピアノで、元々はハープシコードの一種に付けられた名前です。スピネットにはドロップアクションが採用されているものも多い。最近では小型のアップライトをスピネットタイプと称する事もありますが、本来のスピネットは、アクションが鍵盤の位置以下に沈んでセットされているような、超小型のものをスピネットといいます。

スピネットはイタリア語で「とげ」の意味で、弦を鳴らす際に堅いとげを使用していたことから、このような名称になったようです。

非常にコンパクトな構造故、調律(整調、整音、修理)等の作業は若干やりにくい事もあります。


Spoon(スプーン)
スプーン
通常、アップライトピアノのダンパースプーンの事をいう。ウィペン後端に植えられ、ウィペンが上がることで、ダンパーレバーの下端を押しダンパーを弦から開放。他には、グランドピアノのウィペンのポストや、ダンパーレバーと鍵盤との接続等にも使われます。 パッと見はスプーンというより「耳かき」といった形状です。


Stick(スティック)
鍵盤やアクションのパーツが何かしらの要因で、動作の鈍くなった状態。音が出ない、鍵盤の動きが悪いetc...は、概ねこの状態です。スティックしている箇所により、キースティック、ハンマースティック等といいます。各フレンジにおいては、センターピンとそれを取り巻くブッシングクロスの関係、鍵盤ではバランスホールとブッシングとバランスピン(フロント部も同様)の関係が上手くないとスティックが起きてしまいます。ピアノが極端な湿気を帯びた場合にこのような状態になることが多いです。最近は便利なケミカルがあるので、どうしても時間のない時はこれらのケミカルに頼るのもありですが、本質的な解決にはならない場合もあり(症状が再発したり)スティックの修理に限らず、その他修理もケミカルに頼らず、確実に原因を取り除き修理する事が重要。


Striking length(ストライキング・レングス)
打弦距離。 ハンマーが弦に到達するまでの走行距離で、通常は46mm~48mm程度。


Striking point(ストライキング・ポイント)
打弦点のこと。 弦長に対し、どの部分をハンマーが打つかというポイント。近年では、低音部・中音部で弦長の1/8、高音部に向かうにしたがって分数は小さくなり、最高音部では1/16程度に。


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T

Tension(テンション)
張力。弦の張ってある緊張状態のコト。弦1本で70~90kg、ピアノ全体で16~20トンもの張力がかかっています。


Tightener(タイトナー)
Tuning-pin tightener(タイトナー)
Tuning-pin tightener。緩くなってしまったチューニングピンに、注射器等を使い注入してやることで、木質が膨張しピンのトルクを得るもの。お手軽で便利なものではあるが、ピンがジャンピングしてしまい、調律しにくくなるオマケがもれなくついてくる場合も...あくまでも応急処置として使用するのが望ましい。これでもダメな場合は、ワンサイズ太めのチューニングピンと交換する、ピンを一度抜いた後スペーサーをかましてピンを入れ直す、或いはピン板の交換等の対策が必要。


Tuning(チューニング・調律)
ピアノの調律(チューニング)。みなさんの家にお伺いして行っている作業です。ピアノにおいて調律とは、或る高度をもって平均律音階を作ること、簡単に言うと、弦の張力を加減・調整し、音楽的に正しい音階を作る作業です。最低音(1Key、A)は27.5Hzから、最高音(88Key、C)の4186.009Hzまでの振動数をカバーします。近年殆どの場合、平均律(Equal Temperament)で調律します。平均律での調律の他に、中全音律(ミーントーン)、ヴェルクマイスター、キルンベルガー、といった古典調律もあります。

調律(チューニング)作業自体には、さほど多くの工具は必要なく、音叉、チューニングハンマー、ウェッジ類を使用します。工具バッグの中は、それらよりも多くの整調・整音工具や修理工具が詰まっています。調律作業を進めている途中で、さまざまな不具合が見つかる事もあり、一旦調律を中断して整調や修理を見直した後、調律を再開することも少なくありません。調律(チューニング)中に、ピアノの音が聞こえなくなったならば、決してさぼっている訳ではなく、もっと大事な作業をしている事が多い筈です。

ピアノには230本ほどの弦が張られ、18トン前後の張力がかかっている為、弦の張力は打弦も相まって、低下することは免れません。定期的な調律をすることで、ある程度安定したピッチを保つ事が出来ます。この他に整調・整音・修理といった作業があります。

稀に「ピアノの調律」を「ピアノの調教」と仰る方も居られますが、お馬さんではないので、「調教」ではなく「調律」でお願いします。


Tuning hammer(チューニングハンマー)
チューニングハンマー
調律の時に調律師が使っている道具(工具)。チューニングピンを回すのに使います。 チューニングピンのサイズによりハンマーチップのサイズも種類がありますが、現代はほとんどが#2チップです。しかしチューニングピンのサイズや角度は、メーカーや製造時期により結構な種類が存在し、またプレスの精度もあって、ハンマーチップには少なからずガタが生じます。


Tuning-pin(チューニングピン)
チューニングピン
弦の一端が巻き付けられているピン。これを回すことで弦の張り具合を調整します。長さは6cmほど、太さは7mm程度で、素材は硬びき鋼線。このピンは、ピン板と呼ばれる木にただ打ち付けてあるだけなので、過乾燥なピアノはピン板がピンをしっかり支えてられずに、調律が狂いやすくなります。このようにチューニングピンがトルクを失い緩くなってしまった状態を、俗に「ピンズル」「ルーズピン」と呼びます。


Turn buckle(ターンバックル)
ターンバックル
アップライトの弱音フェルトの上下位置を調整するパーツ。下前パネルを外すとアクセス出来る。最近のものは位置調整後にズレてこないよう、ズレ防止の為のナットがある。固定用のナットの無いもので、頻繁に弱音ペダルをスライドされている場合、少しずつ弱音フェルトの位置がズレてくる事があり、この場合ターンバックルを廻して適切な位置になるよう調整する。


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U

Unison(ユニゾン)
2つ以上の音をぴったり同じ高さに揃える。振動数比が1:1の関係。暫く調律をしていないピアノで、ユニゾンが狂っていると、電子ピアノでエフェクトのコーラス等をかけたような、なんとも気持ちの悪い音がします。


Upright(アップライト)
アップライト
皆さんにもっとも馴染みのある用語の一つですね。縦型ピアノのこと。グランドピアノでは弦が水平に張ってあるのに対して、垂直に張ってある。スペースを取らないというメリットがあるため一般家庭で多く使われています。グランド出現の後、約100年経って完成されました。弦が垂直に張ってあり、箱が立っていることから Vertical pianoとも呼ばれます。

アップライトピアノの魅力は、やはりグランドに比べ安価だという事と、設置スペースが少なくて済むという点でしょうか。また国産グランドの予算で、一部の輸入物のアップライトに手が届きますので、連打性はさほど重視せず、音色優先という方にとって、アップライトは大変魅力的なピアノとなります。

関連リンク : アップライトピアノ構成部分の名称


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V

Voicing(ボイシング、整音)
整音(せいおん)のこと。ピアノの発声法を整えてあげる作業です。整音針、ファイラー (ヤスリ)、コテ、軟化剤、硬化剤、etcを使います。買った頃とピアノの音色が違ってきたと感じる方は1度、整音することをお勧めします。「ピアノの調律」とは、単に音律を揃えればそれでよしという訳ではなく、調律の他にこの整音作業や整調(せいちょう)といった作業を常に同時進行でみてやる必要があります。どれだけきれいに調律を仕上げても、整音が手付かずだったりすると、ピアノ本来の音色が十分に発揮出来ていなかったりします(整調も同様)。


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W

Wedge(ウェッジ)
ウェッジ
調律師が調律の際に弦に挟んで使うミュート。ゴム製、フェルト製、木製(+革)などがあります。ピアノは、1つの鍵盤に対し数本の弦が張ってある為に、調律時に必要のない弦をミュートします。


Wippen(ウィペン)
ウィペン
アクション下部にある部品。鍵盤(キャプスタン)の動きが、はじめてアクションに伝わる箇所でもあり重要です。またキャプスタンがウィペン下部の前後どの位置を押し上げるかで、タッチ感が露骨に変わるため、タッチ変更の際に利用されることの多い場所だったりします。


Wire(ワイヤー)
ワイヤー
弦。正確にはミュージックワイヤーと言います。 炭素鋼で出来ています。 ピアノ線とは呼びません。 弦は一つの鍵盤に対し1本ではなく(最低音部のみ1本張) 2本ないし3本が張られております。 中音から高音にかけては、芯線と呼ばれる通常の弦が張られ 低音部に使用される弦には銅線が巻かれています(巻線といいます)。 日本製(スズキ)の弦は表面に防錆の為にオイルが、 ドイツ(レスロー)等はパウダーが薄く塗布されています。

弦に要求される条件には、 「不純物の介入がない・傷がない・寸法・材質が均一・抗張力や曲げに強い」等 精度が要求されます。 太さは1種類ではなく、最高音部の13番(0.775mm)から0.025刻みで、 26番(1.600)まで20種も使用してます。 断線する時の音は何度聞いても嫌なものです。

尚、現代のピアノの弦は、低音弦と中~高音弦が交叉していますが これは1845年にチッカーリングが二重交叉弦を完成させたことによるもので これ以前のピアノでは、弦は平行に張弦されていました。
ワイヤー2

【覚書き】ミュージックワイヤー表示線番と直径


Wood(ウッド)
ハンマーヘッド中心部の芯となる部分の木。通常「ハンマーウッド」といいます。


Wrest plank(レストプランク)
ピン板。 チューニングピンが打ち込んである板で、調律時にピンを捩る(wrest)ことから、この名称になっています。数枚の板を縦横になるように張り合わせてある。ぶな・かえで等が使用される。調律の際は、ピン板を意識し気づかって行わないと、ピン板をぐずぐずにしてしまい、いわゆる「ピンズル」状態を招く恐れがある為、チューニングピンの打ち込んである角度と併せて配慮した調律が大切です。


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