グランフィールの取付け(ペトロフ P 131)

PETROF P 131
ペトロフ P 131グランフィールを取付け。

高さ120cmクラスのペトロフはわりと見かけますが
このピアノは130cmクラスの「ハイエスト・シリーズ」で
コンサート用アップライトに位置づけられるモデルです。
国産小型グランドに負けない音色を奏でます。

鍵盤の弾き心地もグランドピアノのような
奥行きの長いピアノを弾いているような感覚を得られます。
その理由は...

鍵盤鉛
バランスピンの前後に鍵盤鉛を配置することで
慣性モーメントを大きくし
奥行きの長い大きなピアノを弾いているようなタッチにしてあります。
BWは42g程度で、このクラスのピアノでは普通の値ですが
数値以上にどっしりとした弾き心地となっています。

レペティションスプリング
アクションはペトロフレンナーではなくフルレンナーです。
レペティションスプリングやドロップスプリングを取付け
ハンマーバット加工等を行い
グランフィールピアノとなるよう仕上げます。

納品調整後、お客様に感想をお伺いしたところ
「低音の響きが良くなった」とのこと。
ドロップスプリングが搭載されたことで
高次倍音が豊富に出るようになりましたので
華のある音の響きになっています。

グランフィールを取付ける前は
グランドのような弾き応えのある鍵盤だけど
何かが足りない印象のタッチでしたが
レペティションスプリングが取り付いたことで
上手く不足分が補え、反応の良い鍵盤となり
非常にコントロールしやすいタッチのピアノに生まれ変わりました。

 

「グランフィール」については
以下のページに詳細を掲載しております↓
http://www.piano-tokyo.jp/granfeel.html

 

 

渡辺ピアノ調律事務所
〒154-0016 東京都世田谷区弦巻1-20-14
E-mail  info@piano-tokyo.jp
url  http://www.piano-tokyo.jp/
weblog  http://www.piano-tokyo.jp/blog/

グランフィールのオプションパーツとして

既に後付けの「グランフィール」を導入している方や
グランフィールの取付けを検討中の方々に
より一層グランドに近いタッチと響きを得るためのパーツをご紹介します。

 
普通のアップライトピアノにグランフィールを後付けした場合
レペティションスプリングやドロップスプリングは新たに追加され
バットの形状も理想的な形に加工されますが
それだけではグランドピアノと違う部分が残ってしまいます。
グランドピアノと違う部分を出来る限り同じ仕様にすることで
限りなくグランドピアノに近いタッチと響きが得られるようになります。

 

ハンマーのスカッチ
グランドピアノとグランフィールピアノ(後付けでは無いほう)の
バックストップ方式は、スカッチ(溝)の入った木部を
グランドピアノのバックチェック
スキンの貼られたバックチェックで咥える仕様になってます。
グランドピアノならばハンマーのテールにスカッチが
グランフィールピアノならばキャッチャーにスカッチが入ってます。
(写真 : グランドのバックチェックとテール)

 
アップライトのバックストップ
一方アップライトピアノのバックストップは
スキンの貼られたキャチャーを
クロスの貼られたバックチェックで咥えます。

 
単にグランフィールパーツを後付けしたアップライトピアノは
バックストップ方式がアップライト仕様のまま
グランドのタッチを再現することになってしまいます。
もちろんアップライト仕様のバックストップ方式でも
グランフィールは動作しますが
より理想的なタッチを得るには
グランドピアノと同じバックストップ方式にする必要があるのです。

 
グランドピアノ仕様のバックストップ方式
キャッチャースキンは剥がして、キャッチャーにスカッチを入れ
バックチェックはグランド仕様のバックチェックに交換してやると
グランドピアノと同じバックストップ方式を実現可能です。
(或は既存のバックチェックにスキンを貼るといった方法もアリです)
これによりスッキリとした、めりはりのあるタッチが得られるようになります。

 
もうひとつアップライトとグランドで違うところが残っています。
鍵盤手前側底部で下りてきた鍵盤を受け止めている
「フロントパンチングクロス」です。
アップライトのフロントパンチングクロス
一般的なアップライトピアノのフロントパンチングには
柔らかく小ぶりのものが使われています。
一方グランドピアノのフロントパンチングクロスは
硬めでサイズもひとまわり大きめのものです。
故に理想的なグランドのタッチを実現したい場合
フロントパンチングクロスをアップライト仕様のものから
グランド仕様のものに交換しておきたいのです。

 
ホワイトパンチングフェルト
交換するにあたっては
最近は特にその効果が得られやすい
「ホワイトパンチングフェルト(コニカル)GP用」をオススメしています。
音の立ち上がりが速くなり、芯のある響きになってタッチもよくなります。

 
「グランドピアノ仕様のバックストップ方式」、
「ホワイトパンチングフェルト」、
グランフィールのタッチと響きを
より一層グランドピアノに近づけたい方々にオススメです。

 

「グランフィール」については
以下のページに詳細を掲載しております↓
http://www.piano-tokyo.jp/granfeel.html

 

 

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タッチレールの取付け(カワイRX-1G)

カワイのグランドピアノRX-1Gの鍵盤が重いとのことで
タッチレールを取付けました。

 

BWは44gとそこそこ重いです。
SRは5.8で、ARは6.0です。

 

鍵盤押え
既存の鍵盤押えをタッチレールと置き換えます。

 

タッチレール
タッチレールを取付け、スプリングキャップをまわして調整すれば
あっという間に作業完了です。

今回はBW39gに調整しました。

 

今回のように単にタッチレールを取付けるだけでも
BWは小さくなり鍵盤は軽くなりますが
ご希望の方には、タッチウエイトマネジメントとタッチレールを
ミックスした作業も提供させて頂いております。
タッチレールとタッチウエイトマネジメントを組み合わせることで
BWだけでなく慣性モーメントも小さくすることが出来ますので
より軽いタッチを体感頂けます。

 

ピアノマスク
ちなみにこのピアノには、ピアノマスクが搭載されています。
消音ユニットのようにピアノの性能に影響を与える事もなく
合理的なシステムです。

 

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グランドピアノの鍵盤が重いので軽くしたい

ベーゼンドルファー

ピアノはベーゼンドルファーのセミコンです。

お客様曰く、

「弾いている時は集中しているのであまり気にならないが、弾き終わった時に手や腕に疲労を感じる」
「ホールで弾くスタインウェイのタッチが軽いので、自宅のベーゼンドルファーとの重さのギャップを少なくしたい」
といった内容です。
実際に弾いてみた感じとしては、ピアニッシモでもそれなりに重く感じ
フォルテやトリル、トレモロでも重さを感じます。
この事からバランスウエイトを今より小さくして
同時に慣性モーメントもある程度小さくする方向で調整出来ればと思います。
タッチウエイトマネジメント(Nakamura Touchweight Management)
弾きやすいピアノとなるよう改良していきます。
また重たいのは低音から次高音のはじめまでで
次高音の途中から最高音にかけては軽く弾きやすいので
SRの変更と鍵盤鉛調整は、低音から次高音のはじめにかけてのみ行い
次高音の途中から最高音のSRと鍵盤鉛は現状維持とします。
このピアノはヒールクロスの接着が、ヒールの多くの面でされているので
SRの調整はパンチングの半カットのみ検討しています。
高音は半カットしませんので、カットした音域と
鍵盤ならしが違ってきますから、ならしを均一になるよう再調整します。
整調は特に問題なく、鍵盤とフレンジともにスティックは無し。
シャンクフレンジはむしろトルクが1g以下になっているものが
何ヶ所かありましたのでセンターピン交換をして適正トルクに修正しました。
またジャックに液体黒鉛を塗り直しておきました。
レシオ類は、ARが5.6、SRは6.0でした。

 

 

オリジナルの平衡等式

オリジナルのサンプル音の平衡等式です。
低音と中音の白鍵のBWが大きく
FWはシーリング値を超えている鍵盤もあります。
3要素関連表では
HSWが指標9で、SRが6.0の場合
FWをシーリング値マイナス3gとするには
BWは45gとなるようです。
しかし実際にはこのピアノのサンプルキーC1は
BW42.5gですので、鍵盤鉛が多めかそれらを手前に寄せて配置している、
あるいはサイズの大きい鉛でFWを大きくすることで
BWを小さくしていると考えられます。

 

シミュレーション

サンプルキー(低音C1)での
平衡等式を利用したシミュレーションです。
数値は左から、DW,UW,BW,F,FW = KR,WW,WBW,HSW,SR,
(一番右はFWシーリング値とHSW指標)。
HSWを指標9から指標8に下げ
バランスパンチングの半カットでSRを仮に0.4下げ
最後にBW基準の鍵盤鉛調整を行うことで
BWがオリジナルより5g小さい37.5gに
FWはシーリング値マイナス3.9gを達成出来ることが
シミュレーションにより分かりました。
HSW(黒)は、低音が指標8から9、中音下から途中までは指標9から9超、
中音の途中から次高音は指標8、高音は途中までが指標8から9、
最高音が指標9から12でした。

スマートチャート

HSW(赤)全体を指標8辺りで均す方向で調整しました。
最高音は弾いた感じは重くないので、音色のバラツキを揃える方向での調整とします。

 

鍵盤テンプレート

鍵盤の慣性モーメントを算出するために
サンプルキーの鍵盤テンプレートを作成しました。

 

フロントウエイト比較計算表

鍵盤の一番手前に入っている大鉛を抜いて
バランスピン側に鉛を入れ直す事で目標FWを達成し
同時に慣性モーメントも小さくする方向の効率的作業で
BW基準の鍵盤鉛調整を行います。

 

換算慣性モーメント

オリジナルの状態と比べて、BWは12パーセント下がり
換算慣性モーメントは9.2パーセント下げる事が出来ました。
作業後にお客様が30分程試弾しての感想は
「鍵盤の返りが速く感じます」「以前は重かった左手(低音部)が楽になりました」
との事でした。
私が弾いた感じではズッシリとした重さが無くなり、弾いていて楽だなぁという印象です。
BWだけでなく慣性モーメントもある程度小さく出来たので、良い結果が得られたようです。
またHSWのバラツキが無くなった事で
音色のバラツキがほとんど気にならなくなりました。

 

タッチウエイトマネジメント(Nakamura Touchweight Management)
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グランフィールの取付け(ヤマハU3F 昭和46年納品)

バット加工
昭和46年に納品されたヤマハU3Fにグランフィールを取付け。

 

いわゆる大人のピアノ(復活組)で、
納品当初は今回ご依頼くださいました奥様が弾いていて
その後子供さんが使い、再び奥様が使う事になりました。
こんなに長く活用頂いてU3Fも喜んでいる事でしょう。

 

グランフィールを取付けるにあたって
アクションをお預かりしてきましたが
湿度が適切でない環境(湿度が高い)に置いている為
フレンジは若干のスティック傾向です。
特に酷いフレンジはセンターピンを交換しトルク調整して
軽度のものは潤滑処理しておきました。

バットフレンジコードも大半が切れていたので
センターピン交換と同時進行で張り替えておきました。
フレンジコードの貼り替え修理とフレンジのトルク調整は
同時に行うと効率が良いです。

 

レペティションスプリング
アップライトピアノに足りないパーツ達
(レペティションスプリング、ドロップスプリング等)を取付け、
グランドピアノの部品形状と違う部分を修正し
アップライトピアノでありながら
グランドピアノ並の性能と響きを実現します。

 

グランフィールのよくあるお問い合わせとして
「少し古いピアノなんですが、取付け出来ますか?」
とのご質問を頂きます。
実は古いピアノのほうが構造がベーシックである事が多く
意外なほどグランフィールとの相性が良いのです。

 

調整を終えてお客様に弾いて頂いたところ

  • 鍵盤が軽く感じる
  • 鍵盤が指に吸い付くような感じがする

と、とても喜んで頂きました。

 

実は作業前にお客様が
「なんか鍵盤が重たく感じるんですよねー」
と仰っていたので、
その辺りも調整に加味しておいたのです。

 

ダンプチェイサー
多湿傾向でスティックぎみでしたので
ダンプチェイサーも取付けました。

 

グランフィールが取り付いた事で
ますますU3Fは活躍してくれそうです。
グランドピアノ並のタッチと響きを楽しんでください!

 

「グランフィール」については
以下のページに詳細を掲載しております↓
http://www.piano-tokyo.jp/granfeel.html

 

 

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