C1のハンマー交換と簡易タッチウエイトマネジメント

ヤマハC1
ヤマハの小型グランドピアノC1のハンマー交換
簡易タッチウエイトマネジメント作業を行いました。

平成9年納品の製造番号551XXXXで
まだまだパーツの交換など必要ないピアノだったのですが...

 

下手なファイリング
ファイリングの必要のないピアノでしたが
誰かがアバンギャルドなファイリングをしてしまいました。
もの凄く大胆にがっつり剥いてしまっていて
ハンマーフェルトはボソボソに...

 

ハンマーファイリングの悪い例
近くでみると傾いてファイリングされているのが分かります...
ちなみに正面から見ても傾いてファイリングされているので
あらゆる方向からみて3Dに傾いて剥かれています。
しかもハンマーによって傾き具合もバラバラなのです...
そのためハンマーは3本の弦を同時に叩かず
まともに鳴ってません。

取り急ぎこちらでファイリングし直しましたが
削られ過ぎたハンマーはフェルトの厚みが無く
特に高音セクションはベンベン、ペチペチとした音が出ます。
もともと高音部の弦が断線しやすいピアノでしたが
ハンマーのクッションが無くなってしまい
さらに断線しやすくなっています。

このハンマーはもう限界なので
ハンマー交換をすることに。
今回は某Sさんにお願いして
研修をかねてハンマー交換しました。

 

ハンマーヘッドの穴開け

ハンマーのテーパー加工

ハンマーのテール加工

ハンマー交換
今回はシャンクはオリジナルを使い
ハンマーヘッドだけ交換しました。

ハンマーヘッドを交換したアクションを事務所に持ち帰って
若干の修正をしました。
このヤマハC1、BW43gもありタッチが重いです。
お客様も鍵盤の重さを気にしていたのでタッチウエイトを調整しますが
今回はいつものような精密な調整ではなく
簡易タッチウエイトマネジメントで作業します。
標準的な重さBW38gとなるよう調整していきます。

 

 

ハンマーローラーナックル
ローラーナックルはオリジナルのものににシムを入れて使うか
新しいものに交換するか迷いましたが
結局新しいものに交換することにしました。

 

古いローラーナックル
オリジナルのローラーを取り外して

 

ローラーナックル交換
新しいローラーナックルに交換。
スキンの流れの方向と接着に注意して取付けます。

 

 

WNGキャプスタン
簡易タッチウエイトマネジメントと言いつつ
オリジナルの重たいキャプスタンを
Wessell, Nickel & Gross(WNG)の超軽量キャプスタンに交換します。

 

キャプスタンの下穴開け
WNGのキャプスタンはボルトオンで付け替え出来るサイズもありますが
手元にあるのがオールドスタインウェイ用の
径の太いものなので、下穴を開けます。

 

キャプスタンインストーラー

WNGキャプスタンに交換
キャプスタンがWNGのものに交換されました。
軽量なだけでなく低フリクションなのがいいですね。

 

バランスパンチングの接着
SRを一段階下げるのに
バランスパンチングを接着します。

 

バランスパンチングクロスの半カット
バランスパンチングクロスを半カットしました。

 

ウイペンヒールにシム挿入
ヒールへのシム挿入で
SRをもう一段階下げます。

 

鍵盤鉛を抜く
鍵盤の外側に配置された鍵盤鉛がタッチを重くするので
事前に抜き出します。

 

鍵盤穴開け
BW38gとなる新たな鉛位置を決めてから
鍵盤に穴開けをします。

 

新たな鍵盤鉛の配置
新たに内側に鍵盤鉛が入りました。

 

バランスホールの掃除
前後キーピンを磨き
バランスホールを掃除します。
フロントブッシングクロスは掃除してから
フェルトトリートメントで厚みを復活させました。
すり減ったブッシングクロスは貼り替えるしかありませんが
比較的新しいクロスで潰れただけの状態であれば
膨らます方法もあります。

 

そして本日アクションを納品しました。
高音の打弦点がずれていないかと心配でしたが
Sさんによって高音ハンマーの打弦点は正確に出ていて一安心です。
交換前の安っぽい音がピアノらしい響きに復活し
タッチも標準的な重さになり
とても弾きやすいC1になりました。

Sさんに教えてもらった断線対策も行い
これで今後の断線が減るといいのですが
経過を見ていきたいと思います。

 

渡辺ピアノ調律事務所
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